この記事では、就労移行支援事業所の概要と通所のメリット、デメリットをわたしが実際に通所した際の体験も交えて解説しています。
こんな人におすすめ👇
- 前の仕事を辞めてからしばらく間が空いている
- 今大学生でこれから就職するのが不安
- 働いた経験が無く漠然とした不安がある
就労移行支援とは?
〇一般就労等への移行に向けて、事業所内や企業における作業や実習、適性に合った職場探
引用元:厚生労働省
し、就労後の職場定着のための支援
○ 通所によるサービスを原則としつつ、個別支援計画の進捗状況に応じ、職場訪問等による
サービスを組み合わせた支援。
○ 利用者ごとに、標準期間(24ヶ月)内での利用。
○ 一般就労等への移行に向けて、事業所内や企業における作業や実習、適性に合った職場探
し
就労移行支援とは、病気や障害を持った方が就労へ向けて事業所内や企業における作業や実習、適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援などが受けられる福祉サービスです。
利用できるのは18歳以上65歳未満の方。
何度も使えるサービスではなく、2年間満了すると基本的には使えません。
どんなサービスを受けられるの?
就労移行支援事業所で受けられる主なサービス内容は以下の通りです。
1,職業訓練
ピッキングや書類整理などの軽作業、ExcelやWordなどofficeソフトを使ったPC作業や、それら資格の勉強などの個別訓練と、グループワークなど実際の職場での仕事を想定した訓練もあります。
ビジネスマナーや実際に就職された方の話を座学形式で学ぶことができます。
また、プログラミング学習を売りにしている事業所など、事業所ごとに特徴があります。
2,履歴書の添削・模擬面接
履歴書の書き方が分からない人でも一から丁寧に教えてもらえます。
模擬面接では入退室から受け答えまで本番さながらの面接が受けられました。
最近の面接で聞かれやすい質問も反映させたものになっていて、実際の面接よりも緊張しました💦
3,悩み事の相談
生活に関することから、事業所での人間関係に関することまで相談にのってくれました。
4,職場実習
事業所とは別に職業訓練の場を提供している会社で訓練を受けることができます。
(その際には面接がありますが、訓練期間が終わると訓練先の会社から就職のお誘いを受けることもあります。)
5,就職後の定着支援
就職後大体半年~3年の定着支援(相談などが受けられる)がある。
職場との間に立って対応してもらえます。
など
就労移行支援を利用するメリット
続いて、就労移行支援事業所を利用するメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
規則正しい生活になる
事業所に通うことになるとそれに伴って生活リズムが規則正しいものになっていきます。
元から規則正しい生活ができている方は別として(^-^;
また、座学で生活習慣改善の知識やノウハウを学んだり、他の利用者と情報を共有しあう中で改善点を見つけることもあります。
就職活動が始まるとちゃんと事業所へ通所できていたのかという点は会社側へのアピールポイントになりますし、実際わたしもこの質問は面接のたびに聞かれました。
自己理解が深まる
通所する中で、自分の強み・弱点や障害に対する理解を深められます。
事業所の職員の方からも長所などポジティブな面は積極的に褒められるのでそこから気づくこともあります。
また、こちらについても座学で自身の個性(長所・短所など)について理解するコツなどを教えてもらえる。
実際の職場に近しい環境で集団生活をするので障がい者雇用枠で働く方なら「どんな配慮が必要か」といった点を具体的に説明できるようになります。
障がい者雇用枠で応募の場合、配慮に関する記入欄が履歴書にあったり、聞かれたりするので超重要です。
人づきあいに慣れたり距離感をつかめるようになる
事業所の規模にもよりますが、ある程度の人が集まる場なので通所を続けるうちにコミュニケーション能力が上がる。
(ただ、人と関わることに消極的な方は通所し始めから退所まであまり変わらない印象を持ちました。)
今まで人と関わることが少なかった方やコミュニケーションをとることに苦手意識がある方にはおすすめ。
職員に自身のコミュニケーションのどこら辺を改善した方がいいかなど随時聞いたりできたのはすごくよかったです。
事業所によっては「交通費」や「昼食」の助成がある
収入の有無にかかわらずありがたい交通費の支給や昼食の提供が付いていました。
(ただし、交通費の支給は月に○○日以上通所や昼食だったら午前午後ともに通所するなどの条件がありましたが。)
企業との信頼関係が厚い
事業所は求人サイトに載っていない好条件な求人を保有していることがあります。
また、障がい者雇用枠の場合だと「1年以上週〇日通所を続けている」、「事業所の職員同伴で面接を行う」などを条件にする企業もあります。
他にも
- 転職エージェントより手厚いサポート
- 座席の配慮、在宅訓練の配慮
- 雇用保険、傷病手当金、障害年金を受給しながら利用できる
- 大学に在籍中でも利用できる
- 履歴書に通所期間を書ける
などが就労移行支援を利用するメリットだと思います。
就労移行支援を利用するデメリット
就労移行支援の利用中は収入がない
通所している期間は、原則としてアルバイトが認められない。
委託訓練など職業訓練の場を提供している企業で訓練している際も給料は出ません。
長期間事業所に通わなければならない
就労移行支援事業所の利用期間は最長2年間ですが、必ず2年間通わなければならないというわけではなく、大体の人が2年以内に卒業されていました。
それでも1年は通所することになると思います。
早めに就職したい方はあらかじめ職員に伝えておくのが無難だと思います。
途中で辞めるときには30日以上前に伝える必要がある
事業所にもよりますが途中で退所を希望する場合、退所予定日の30日以上前にその旨を伝える必要があります。
その間も通所していることになるためアルバイトなどは禁止です。
また、正式に退所するには退所届にサインをする必要があります。
人によっては利用料金がかかる場合も
収入が一定額以上ある人は利用料がかかる場合があります。
見学の際に一度確認を取ることをお勧めします。
事業所になじめない
私が通所していた事業所では20代の方が多く40代や50代の方は利用し始めてもすぐに辞めていくことが多かったです。
見学の際に事業所に通所する方の年齢層は把握しておいた方がいいですね。
職員に関しても年に数人は異動したり転職されたりしていました。
また、通所することが正式に決まると担当職員が一人つくのですが、その方との相性が悪いと同様に退所の遠因になりえます。
担当の職員とは活動計画について定期的に面談をしたり、事業所外での活動にも基本同行するので事業所内で比較的長く関わる方だからです。
他の福祉サービスでも事足りる
就労移行支援とは別に就労支援という福祉サービスがあります。
ややこしいですよね。(^^;
こちらも相談や企業実習、訓練、職場定着、生活支援など幅広いサービスを受けられます。
コミュニケーションは上手じゃないが苦手でもないという人で、ある程度自分で考えて行動することができる方にはこちらの就労支援がおすすめです。
ご自身の希望にもよりますが、就労支援では就労移行支援ほど時間的拘束を受けません。
提供しているサービスの一部だけ受けることも可能です。
(例えば、就職までのことは自分でするので職場定着のために定期的に面談だけしてもらいたいなど。)
わたしも今就労支援の方を利用しているのですが就労移行支援よりも全体的に自由な印象を受けます。
まとめ
就労移行支援事業所を利用するメリットとして、生活~就職活動までさまざまな支援が受けられる点が挙げられます
ですが、就労に関するサービスは他にもあり自分の希望に一番近いサービスを受けることが大事です。
就労移行支援を受ける前には、通所する目的を明確にして、しっかりと見学や体験利用をしてから通所する事業所を決めるようにしましょう!
就労移行支援についてさらに詳しく知りたい方はこちらから👇
厚生労働省:就労移行支援について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/3b.pdf
実際の通所生活が気になる方はこちらから👇
最後までお読みいただきありがとうございました!